魚上氷 (the beginning of spring/fish is over ice)の候
寅日誌-(猫の自我に関する研究論文) 1
「自分」、「私」、「自我」とは何ぞや。まず、この漢字の起源をたどり、言葉の産みの親の先人に教えを乞いましょうか。 「自」とは鼻の形をなぞった象形文字、幼子が指を鼻に押し当ててアタシと示すようなものかなぁ。これに自分の「分」の文字をくっつけて、自らを分けること、あるいは自らが分ること。これが「自分」であるらしい。 次に「私」。漢字の原型は、稲や穀物を束ねた時の象形であり、所有の意味を含むと辞書にある。この解釈に従って「自らを分別する者、それが私である」と定義付けましょうか。
猫殿の眼前にこの定義をゴロリと転がしたなら、じゃれ付く程度の共感は得られると思う。 この研究論文は「ワタシはダぁレ?」といった極めて個人的な思索であり、要するに自身の心の安寧(あんねい)、納得を得んが為。人様を説得する気などサラサラない故に、これで十分。(続)