幕末の群像 西郷、龍馬、勝、高杉・・?

 

東御市滋野の浅間サンライン沿いにある道の駅「雷電くるみの里」の雷電資料館の一角、この写真はある。

「日本を動かした幕末維新の志士達」と紹介の額入り複製印刷写真だ。一般に「フルベッキ写真」と言われるもので土産物類や古物商商品などで扱われている印刷品も多々。志士の肖像の真偽はさておき、思わず見入ってしまう展示品だ。

勝海舟がいる。西郷隆盛がいる。坂本龍馬がいる。高杉晋作がいる・・・

 

 

写真の右隅に「尊皇攘夷志士四十六人」と記し、各人物を名書きで特定している。慶応元年二月(1865年)、写真撮影上野彦馬と記してある。

この「尊皇攘夷の志士四十六人」に写る顔が、その人物そのものであるのかどうかなど、この古写真の評価をめぐっては、未だに研究論議が続いているとか。写真中央にガイドウフリドリンフルベッキ博士(当時36)=グイド・ヘルマン・フリドリン・ヘルベック=が写ることから フルベッキ写真といわれている。

フルベッキ写真については、http://pro.cocolog-tcom.com/ 教育の原点を考える(高校生と中学生の子を持つ父親の“教育論”)が詳しい。

06年2月5日東京新聞掲載の記事は、「写真は長崎にあった佐賀藩校、到遠館の生徒とフルベッキの写真」としている。

写真は1868年(明治元年)から2年の間に撮られ、「英傑大集合の写真ではない」と結論づける。撮影者の上野彦馬(1838~1904、国内初の写真家)の弟の孫にあたる上野一郎さんのコメント付きで、「こんな騒ぎには終止符を・・」としている。

また、写真撮影が慶応元年ならば、坂本龍馬も中岡慎太郎も存命だが、明治の撮影となれば、慶応3年近江屋で暗殺された二人はいない。

撮影時期は1868年12月(明治元年10、11月)と推定する見方が大方のようで、慶応大学准教授・高橋信一氏の見方もおよそこのようなもの。

それにしても・・・である。似て非なるものと、心しつつ見比べるほどに、真偽の天秤が内で揺れてくる写真ではある。教科書で見た人物とよく似た者がいる。眺めていて楽しい。



フルベッキ写真



写真↑クリック拡大 次の画面が出たらもう一度クリック・・・・お暇なら確認してみてください。明治天皇もいるとか?

下段右から順に

大村益次郎(42)   桂小五郎(33)   中岡慎太郎(28)  岩倉具綱(24)  大熊重信(27)江副廉蔵 (18) 岩倉具経(13)岩倉具視三男   岩倉具視(41) 広沢真臣(33)  大室寅之祐(13)※明治天皇だとする説もある  ウイリアム・フ ルベッキ(5)長男  ガイドウフリドリンフルベッキ博士(36)  福島種臣(38)  岡本健三郎(24)  岩倉具定(15)岩倉具視二男  高杉 晋作(27)  坂本龍馬(31)  日下部太郎(21)  横井佐平太(21)  横井小楠57) 横井大平(16)

左上段右から順に

勝海舟(43)  中野健明(22)  中島信行(20)  後藤象次郎(28)  江藤新平(32)  大木喬任 (34)  井上聞多(31)  品川弥二郎(23)  伊藤博文(25)  村田新八(30)  小松帯刀(31)  大久保利通(36)  西郷隆盛 (39)  西郷従通(23)  別府晋介(19)  寺島陶蔵(32)  中村宗見(25)  黒田清隆(26)  鮫島誠蔵(21)  五代友厚 (31)  香月経五郎(17)  吉井友実38)  森有礼(18)  石橋重朝(21)  陸奥宗光(22)

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