家庭から出る生ゴミや下水にたまる汚泥を集めて肥料にしている再処理センターという工場で、焼灰の検査をしたら放射性物質に汚染されている事がわかった。
「このままだとゴミ処理ができず、コンポスト肥料が作れない。みんなのゴミの始末がこの先できなくなるかもしれない」って、肥料工場のおじさんたちは頭を抱え、県や国のお役人に「どうしたらいい?」と相談したら、「肥料は出荷しないほうがいいね」って言うだけ。肥料を倉庫に置いたままどうすることもできず、20日あまり待ってたら、国のお役人から連絡があって、「汚れ具合がこのくらいなら大丈夫」という安全基準がきた。ところが、政府が頭使って考えたわりにはおおざっぱなもので、管理する法律があっちこっちで食い違っていて、工場のおじさんは「どうしたらええねん!どうせぇちゅうねん!」と腹がたったらしい。
今は、ナントカかんとか肥料をだせるようになったけど…..信用して大丈夫かなぁ?安全だと言うけど、放射性物質が入ってる汚染の肥料なんですけど…という話を難しくまとめたレポート↓↓
福島第一原発事故の放射能汚染で出荷を中止していた小諸市の浅麓汚泥再処理センター汚泥再生肥料の安全規定をめぐり、現場が混乱していたことが分かった。現在、安全とされる放射能測定基準をクリアしていることから、製品の配布を再開している。
小諸市の(浅麓環境施設組合)では、6月初旬に末端の最終埋め立て処分の乾燥灰から放射性物質を検出。後に、農水省が放射能汚染の安全規制を設けたものの、内容が大雑把で具体的な現場対応ができない異例の事態に陥った。放射能汚染した肥料の安全性をどこまで担保しているのか…肥料再開までの同処理センターの対応経過を追った。
浅麓汚泥再処理センター(http://members.ctknet.ne.jp/cenrok/odeisaisei.html)は、小諸市はじめ浅間山麓地域の下水道処理施設などから出る汚泥や一般収集で持ち込む生ゴミ、汲み取りのし尿などを原料にする再処理プラントを備える。環境循環型のリサイクル資源化施設で、硫安やバイオガスを抽出するほか、肥料「エココンポ」を製造し、肥料は収集区域の住民対象に予約配布してきた
6月○日、福島第一原発事故による放射能汚染に伴い自主検査を実施、埋め立て最終処分する下水系脱水汚泥の乾燥灰から、440ベクレル/kg(放射性セシウム134・137)の放射能を検出した。
環境中にある放射性セシウム(137()は核実験や原発事故などウランの核分裂で人工的に生じたもの。体内に入ると、排出されるまでの100日から200日に わたってベータ線とガンマ線を放射し内部被爆をおこす非常に危険な物質だ。肥料原料にこれが混入すると汚染製品を生産することになり、それを農耕地にまくと汚染が植物に移行する。
同センターでは、原子力対策本部の「製品出荷を自粛するのが適切」との判断を受け製品の出荷をやめた。
6月24日、肥料関係行政を所轄する農水省が「汚泥原料1㌔あたり放射性セシウム200ベクレル/kg以下」と安全規制値を出した。しかし、農水省がいう「汚泥原料」が具体的に何を検査対象としているか不明瞭だった。
汚泥再処理センターとはいうものの、生ごみなども主原料とする混合型の製造プラントであり、汚泥は原料の一つにすぎない。また、種類によって搬入処理の経路がそれぞれ異なる複数の複雑な処理システムの、どの種類の、どの工程の、どの状態の汚泥を検査するかについても明確でなく、現場対応がままならなかった。
安全安心を厳格にあてれば、肥料原料全般にわたる放射線検査の義務付けが必要だが、この原則に従うとなると、生ゴミ、し尿、下水系汚泥の種類別に、しかも、搬入時ごとの検査が必要となる。
また、もう一つの問題点として、この安全規制値を生ゴミに拡大するとなると、所轄の省庁によって違いが生じた。政府の安全基準に整合性がなく、場渡り的な印象を免れなかった。
農政省が示す規制を生ゴミにも拡大すると、家庭の生ゴミで多くを占める野菜くずも検査対象に加えることになる。野菜には、食品を扱う厚生労働省が食べても大丈夫とする「500ベクレル/kg以下」がある。原子力安全委員会が示した安全指標をスライドさせた放射能測定マニュアル(5月9日付)だが、農水省は「汚泥原料1㌔あたり放射性セシウム200ベクレル/kg以下」であって、厚生省より、2倍半も高い安全規制値を生ゴミに科すことになり、つまり、食べる野菜よりゴミの方が規制が厳しいという話になる。。
農耕地にまいた肥料は土壌汚染の濃度をさらに高め長期にわたって植物への移行を繰りかえすから、これを考えての厳しい規制ともいえそうだが、再生処理プラントに放射性物質の除去設備をつけるなどの方策でもないかぎり、生ゴミも糞尿も下水もみんな併せて集積処理するセンターにとっては、放射能レベルの凝縮増加はあっても減少は考え難い。
現場当事者が「無理難題」と思えてもしかたないお上の通達なのかもしれない。
同センターでは、、農水省通達の「肥料原料となる汚泥」に絞り、長野農政事務所などと対応を協議調整。堆肥発酵工程前の脱水消化汚泥を検査対象とした。
放射性セシウム(134・137合計)が「50ベクレル/kg」と政府の安全規制値をクリアしていることから7月14日、再開に踏み切った。
堆肥製品「エココンポ」は、小諸市はじめ浅間山麓エリア内の希望者に、当面の間、定例配布日の水曜日以外にも配布。10㌔袋詰は30円。
浅麓汚泥再処理センターの処理工程↓