「まるで満開の桜のようだね」
「そうね、冬のお花見…..」
陽を浴びて融け落ちる花を見ています。雑木林の峠道、空を映して青く続いていました。この冬何度目かの昨夜の雪は日の出とともに流れる淡雪でした。
暑い夏には冬を思い、凍てつく夜には春を思い、なんとまぁ待ちわびて、また待ちわびていくことよ。
「春分にあたり自然をたたえ生命をいつくしむ日」と広辞苑。
人は天の軌道をとらえて暦とした。春夏秋冬の季節をさらに二十四の節で分け、お天道様がちょうどま東から昇り真西へと沈み、昼夜の長さを半々にするこの日を節目とした。歳時記を繰ると、雀が巣作りをはじめ、桜が咲き、雷が聞こえ始める頃・・・と、待ちわびた季語がほころぶ。東御市御牧原南部区、野焼きの煙が、農の始まりを告げていた。
冬枯れ色に放った炎が風に押され、踊り狂う連のように土手を駆けては黒々と焼き跡を残すさま・・・筆にたっぷり含んだ墨汁を真一文字に引いた春の筆跡。
今年は畑を借りた。誰それのためなどと、言うのはおこがましい。 いっしょうけんめい馬鈴薯をにつくろうと思っている。
畑焼きは、休耕の荒れ畑やほったらかしの山林に飛び火して、大事になるから要注意。
大きな満月だった。月の軌道が地球近くを通る3月20、21日にかけ、スーパームーンを撮影した。
アメリカ航空宇宙局のサイエンスニュース http://science.nasa.gov/science-news/science-at-nasa/2011/16mar_supermoon/ などよれば、 地球を軸に周回する月の公転軌道は楕円形のため地球との距離に差が生じ、今回の接近が地球に最も近いのだとか。19年ぶりの接近で、「遠地点の場合(40万5000㌔㍍ほど)と比較して、14㌫程度大きく30㌫ほど明るい満月」という。月との距離は、35万6500㌔㍍。平均公転半径はおよそ38万4000㌔㍍。地球の赤道周り(4万77㌔㍍)に換算すると、ざっと地球9周分に相当する。
空を渡る雲を浮き立たせて天にかかるまん丸のお月様。 懐中電灯を持たなくとも充分歩くことが可能、路面にくっりと自分の影がうつる光量だ。
撮影は標準装備の最大120㎜ズームレンズを使い、デジタルカメラの自動機能で焦点を合わせつつ、露光量を段階的にマイナスレベルに落として調整。天体望遠鏡も三脚も無用な簡単手法。パソコンに取り込み拡大機能を使って大きくすれば、誰でもお月様の素顔と対面できる=写真=。
昭和48年(1973)から38年間にわたり毎年開催の少年野球大会が長野県小諸市にある。
大会の産みの親、東健児代表の 渡邊幸千代さん(76・小諸市与良)=写真=に聞いた。
毎春、秋の2回、地元東信地方や北信地方の野球クラブおよそ三十余チーム、ざっと300選手が集う伝統の大会だ。
息の長いこうした大会は市などが主催し運営をあてがうことが多いものだが、主催は市内の少年野球チーム「東健児(あずまけんじ)。登録選手数24人のクラブチームだ。主管をスポーツ少年団指導者協会にゆだね大会運営の協力を得るものの行政の直接的な補助金はなく自力開催を続けている。
「お金はないですよ。1チーム5千円の参加費を運営資金にあてますが、チームの保護者会(小山宗一会長)の皆さんや審判団の協力あればこそ、ギリギリの運営です。子どもたちが大好きな野球に熱中している姿が見たい、応援したい、ただそれだけです。皆の思いもいっしょ。そんな想いがスクラムを組み輪となって、大きな力が生まれているのかもしれませんね」。
市内に試合会場を4ヵ所、2日にわたっておさえ、これを毎年2回。企業からの協賛金も求めず、大会にありがちな来賓の祝辞も「子どもたちには余計なもの」としてしない。「厳密に言えばスポンサーというものがないわけじゃないよ。例えば、市体育協会が企業協賛を得て作ってくれた優勝旗が一本あるし、市教育委員会も後援してくれる」
「才能がお金を生むプロの世界はそれとして、アマチュア選手まで銭にまみれた時期があった。きれい事では済まない一面があることは重々承知しているけれど、どこか妙なことになっている。無垢なものは無垢のまま、チビッコたちの無心さをそのまま受け止める大会があっていいでしょう」。自主独立の運営にこだわるのはそのため。無垢なものは純粋のままに・・・38年にわたり続く少年野球大会の主催者。
稼業は一般廃棄物運搬業。早朝から軽トラックで得意先のゴミ収集に走る毎日。高校野球が始まると連日試合会場へ。「大きく育った子が、きっとグランドにいる」。内野席にひとり陣取り、見守っている。