月別アーカイブ: 2017年2月

2017/2/16晴 フキノトウ       Petasites japonicus

フキノトウ215日の誕生花はフキノトウと書いてあった。花言葉は「待望」だそうで、これに全く異論は無い。この「待望」にはいろいろあろうけれど….僕には汲々とした枯渇の瀬戸際に立つ者の待望に近い。例えば奥山深く血眼で金鉱を探る荒くれ者の心情にも似る。酒壜を枕とする泥酔の耳元で「フキノトウが出たぞ!」と囁けば、目玉をカッと見開いて表へ飛び出すかもしれない。フキノトウと聞いただけで鳥肌が立ち喉が鳴り舌先が痺れる。

一か八かに賭ける金鉱掘りと違い、私にはフキノトウを確実に掘り当てる勝算がある。「もうしばらく春を待てばよろしいのに….」ぬくぬくと冬越しする者どもはのうのうと優雅にそぅ諭すけれど、聞くものではない。

霜で白んだ土手の斜面をかき分けると久しく見なかった薄緑色がのぞいた。自前の米とフキ味噌…..飯三杯はいける春の味。 山フキは苦味が強い。

日本原産キク科フキ属、雌雄異株、苦味アルカノイド+ケンフェール。

20217/2/15 晴-11℃  General

孤高の将軍寅日誌-2

弁当箱に猫を詰めたよう  昨日午前十時頃、熊二大将(ボス猫♂4)は、国境地帯を巡回中、不審猫と遭遇、戦闘状態に入れり。縄張り上に点々と残した尿臭や爪痕を無視した無法猫は、灰色縞模様の大猫(♂巨漢)一匹。威嚇の奇声(警報サイレン、退去通告)を発するもひるむことなく、やむなく防衛攻撃。残雪の畑にて、くんずほぐれつ乱戦となり。

孤軍奮闘にて国境は死守するものの、大将は深手を負い、右足裂傷、鼻先裂傷。ここ数年連戦連勝だった大将の心痛いかばかりか。

いつもは、プラスチック箱で孤高の威厳を保ちつつ一人眠る将軍ですが、今回は訪れる見舞い客を招き入れ……ウぅウぅと唸りつつ安静中。この後さらに身内の者を招き、すし詰めで一夜を過ごしましたとさ。   今日の歌-聖母たちのララバイ さぁ眠りなさい疲れきった体を投げ出して…あぁできるならあなたの母になって守りたいのでチュ

ちなみに猫の体温は高く、添い寝すると汗ばむほど。零下の夜は団子になって固まるに限る。

2017/2/14  晴-9℃ 立春

陽だまり魚上氷 (the beginning of spring/fish is over ice)の候

寅日誌-(猫の自我に関する研究論文) 1

「自分」、「私」、「自我」とは何ぞや。まず、この漢字の起源をたどり、言葉の産みの親の先人に教えを乞いましょうか。  「自」とは鼻の形をなぞった象形文字、幼子が指を鼻に押し当ててアタシと示すようなものかなぁ。これに自分の「分」の文字をくっつけて、自らを分けること、あるいは自らが分ること。これが「自分」であるらしい。 次に「私」。漢字の原型は、稲や穀物を束ねた時の象形であり、所有の意味を含むと辞書にある。この解釈に従って「自らを分別する者、それが私である」と定義付けましょうか。

猫殿の眼前にこの定義をゴロリと転がしたなら、じゃれ付く程度の共感は得られると思う。  この研究論文は「ワタシはダぁレ?」といった極めて個人的な思索であり、要するに自身の心の安寧(あんねい)、納得を得んが為。人様を説得する気などサラサラない故に、これで十分。(続)