2月15日の誕生花はフキノトウと書いてあった。花言葉は「待望」だそうで、これに全く異論は無い。この「待望」にはいろいろあろうけれど….僕には汲々とした枯渇の瀬戸際に立つ者の待望に近い。例えば奥山深く血眼で金鉱を探る荒くれ者の心情にも似る。酒壜を枕とする泥酔の耳元で「フキノトウが出たぞ!」と囁けば、目玉をカッと見開いて表へ飛び出すかもしれない。フキノトウと聞いただけで鳥肌が立ち喉が鳴り舌先が痺れる。
一か八かに賭ける金鉱掘りと違い、私にはフキノトウを確実に掘り当てる勝算がある。「もうしばらく春を待てばよろしいのに….」ぬくぬくと冬越しする者どもはのうのうと優雅にそぅ諭すけれど、聞くものではない。
霜で白んだ土手の斜面をかき分けると久しく見なかった薄緑色がのぞいた。自前の米とフキ味噌…..飯三杯はいける春の味。 山フキは苦味が強い。
日本原産キク科フキ属、雌雄異株、苦味アルカノイド+ケンフェール。